換気
換気の種類と快適性
住宅性能と計画換気が快適環境を造り出します
換気方法の種類について
■自然換気(第四種換気法)簡単にいえば、窓を開けて自然の風力を利用して換気を行うことが自然換気です。 自然換気には、空気の温度差を利用したり、対流を利用するなどの方法もあります。 イギリスなどの排気筒等が温度差換気の一つの例で自然換気の方法として有名です。 現在でもパッシブクーリングという考え方で研究が続けられていますが、 自然換気では換気量をコントロールできないという欠点があり、実用的なものはなかなか難しいのが現状です。
吸気口としてルーバを設け、反対側上部(他端上部)に排気筒を設けて自然換気を行う方法を第四種換気法と言います。
■機械換気
送風機や排風機を用いて強制的に換気する方法を強制換気、または機械換気と言います。 機械換気は換気量の制御を行えるほか、空気濾過機をとりつけて空気を濾過することも可能です。 更に熱交換機をとりつけて、換気によって一緒に排出される熱を一部回収することも可能です。
この機械換気には3つの方法があります。それは、第一種換気・第二種換気・第三種換気と言われるものです。 この基本的なパターンを覚えておかれると換気について説明がしやすくなります。
■第一種換気法
送風機と排風機を併用する方法で、吸気量と排気量の調整により室内の気圧を外気圧に対して 正圧(プラス圧)に、あるいは負圧(マイナス圧)に保つことが出来るなど大きな利点があります。
これを同時給排型換気と言います。
■第二種換気法
送風機で室内に外気を供給し、排気は排気口から押し出すという自然排気で行います。 この方法では室内がプラス圧となり、出入口のドアを開けても他の部屋から汚染した空気が 入ってこないという利点があります。したがって無菌室や手術室などクリーンルームに採用される 特殊な方法です。
■第三種換気法
排風機によって強制排気し、給気は適当な位置に設けた吸気口から自然給気する方法で 室内空気はマイナス圧になり出入り口のドアを開けた時も室内空気が流出しない特長があります。
したがって、トイレや厨房等、臭いが外に流れないようにする換気装置として使用されてきましたが、 現在では、計量換気装置として排出量が計算しやすいのとメンテナンスが容易でトラブルが少ないことから、 一般住宅の換気装置として最も一般的に使用されるようになっています。
「ハイブリッド・エコ・ハートQ」は、標準として第三種換気装置を採用していますが施主のご要望などにより、 熱交換換気装置の採用も行っています。
換気の種類と全室冷暖房
換気の種類
<換気の種類による各種性能比較>| 排気セントラル換気 | 熱交換換気 | 備考 | |||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 顕熱換気 | 全熱換気 | ||||||
| 夏季 | 温熱条件 | 外気 | 温度(℃) | 32.4 | 同左 | 同左 | 対象地域:東京 顕熱換気効率 70% 全熱換気効率 60% 全熱顕熱効率 70% 全熱潜熱効率 55% 冬季の調湿は行わない |
| 湿度(%) | 60.2 | ||||||
| 絶対湿度(g/kg) | 18.5 | ||||||
| 室内 | 温度(℃) | 27 | 同左 | 同左 | |||
| 湿度(%) | 50 | ||||||
| 絶対湿度(g/kg) | 11.2 | ||||||
| 機械換気量(m/h) | 100 | 同左 | 同左 | ||||
| 換気による熱ロス | 顕熱量(kcal) | 145 | 43 | 43 | |||
| 潜熱量(kcal) | 487 | 487 | 219 | ||||
| 全熱量(kcal) | 632 | 530 | 262 | ||||
| 侵入水分量(g/h) | 815 | 815 | 367 | ||||
| 冬季 | 温熱条件 | 外気 | 温度(℃) | -1.2 | 同左 | 同左 | |
| 湿度(%) | 41.1 | ||||||
| 絶対湿度(g/kg)) | 1.4 | ||||||
| 室内 | 温度(℃) | 22 | 同左 | 同左 | |||
| 湿度(%) | 50 | ||||||
| 絶対湿度(g/kg) | 8.5 | ||||||
| 機械換気量(m/h) | 100 | 同左 | 同左 | ||||
| 換気による熱ロス | 顕熱量(kcal) | 721 | 216 | 216 | |||
| 潜熱量(kcal) | - | - | - | ||||
| 全熱量(kcal) | 721 | 216 | 216 | ||||
| 排出水分量(g/h) | 920 | 920 | 414 | ||||
熱容量と熱蓄量
■空気の熱容量熱容量とは、物質に対する熱の蓄熱量のことです。 物質は比重が重ければ重いほど熱容量が大きくなり蓄熱量が大きくなります。 空気は、温度が高くなると膨張し水分を多く含むことが出来ます。 その水分に潜熱として熱が蓄積されるのです。
■物質に対する熱の熱蓄量
体積が同じなら重い物ほど熱を蓄えることが出来る。
例:銅>鉄>コンクリート>木材
全室冷暖房
冷暖房計画の基本
高気密・高断熱住宅は小さな冷暖房能力で住宅全体の冷暖房が可能となります。 住宅全体の冷暖房は各室の温度差によるヒートショックがなく、結露も防止でき快適で健康な住宅を実現します。24時間全室冷暖房
<適切な室温>| 住宅の場所 | 冷房 | 暖房 |
|---|---|---|
| 居室 | 25~28℃ | 18~22℃ |
| 非居室 | 26~30℃ | 13~20℃ |
| 住宅の種類 | 室温 | 湿度 | 平均輻射温度 | PMV |
|---|---|---|---|---|
| 従来住宅 | 26℃ | 50% | 30℃ | 0.2 |
| 27℃ | 50% | 31℃ | 0.6 | |
| 28℃ | 50% | 32℃ | 1.1 | |
| 高気密・高断熱住宅 | 28℃ | 50% | 29℃ | 0.4 |
| 29℃ | 50% | 30℃ | 0.8 |
気流v=0.5m/s
PMVとは、日本語では「予想平均申告」と言います。 ある温度環境の快適度を表す指標の一つです。
■全室冷暖房にをしないといけない訳
全室冷暖房を行わないで室間温度差が大きくなると、温度の高い方の部屋の空気が低い方の部屋に入り込んだ場合、 空気中の水蒸気が結露する可能性が高くなる為です。
■全室冷暖房のポイント
エアコン等によるアクティブな方法だけでなく、空気の流れ、日射取得(暖房)、 日射遮へい(冷房効率アップ)、蓄熱等、パッシブな方法をも取り入れることが大切です。 夏場、エアコンの除湿運転だけでの冷房も期待できます。 「ハイブリッド・エコ・ハートQ」の様な高性能住宅で有れば、住宅内を開放して使用することをお勧めします。
室内汚染と換気の重要性
一酸化炭素(CO)とヘモグロビンについて
血液中のヘモグロビンは、体内に酸素を運ぶという重要な役割をします。ヘモグロビンは、肺に吸入された空気中の酸素と結びついて酸素を運びますが、一酸化炭素は酸素よりも約250倍もヘモグロビンと結び付く力があります。
一酸化炭素が恐ろしいのは、酸素が十分にあっても一酸化炭素が発生すると血液中のヘモグロビンが一酸化炭素と先に結び付いてしまい、一酸化炭素中毒を引き起こしてしまうことです。
<一酸化炭素の濃度と中毒症状との関係>
| 濃度% | 接触時間並びに中毒症状 |
|---|---|
| 0.02 | 2~3時間内に前頭部に軽度の頭痛 |
| 0.04 | 1~2時間で前頭痛、はきけ、2.5~3時間で後頭痛 |
| 0.08 | 45分で頭痛、めまい、はきけ、けいれん、2時間で失神 |
| 0.16 | 20分で頭痛、めまい、2時間で致死 |
| 0.32 | 5~10分で頭痛、めまい、30分で致死 |
| 0.64 | 1~2分で頭痛、めまい、10~15分で致死 |
| 1.28 | 1~3分で致死 |
酸素欠乏症とは
空気中の酸素濃度が10%未満の空気を「酸素欠乏空気」といいます。この酸欠空気を吸入したときも、一酸化炭素中毒と同じように窒息病状を示します。
二酸化炭素の問題点
地球温暖化の元凶とされる二酸化炭素は、植物にとっては、光合成(炭酸同化作用)によって養分を作り出す為に必要なものです。また光合成の過程で二酸化炭素を酸素に変える働きがあります。森林の伐採が二酸化炭素増大の原因であるという事もこれによって理解できるでしょう。
二酸化炭素は、大気中には、400ppm含まれ、燃料中の炭素成分が完全燃焼したときに発生します。ところで、人間の呼吸で発生する二酸化炭素は、約40000ppmで、大気の100倍の濃度の炭酸ガスを排出しているのです。
室内空気の汚染度は、この炭酸ガス濃度で知ることができ、濃度が10000ppmを超えると健康上悪影響を及ぼすとされ、規制値は1000ppm以下とされています。
<二酸化炭素の濃度と中毒症状との関係>
| 濃度 | 濃度並びに中毒症状 |
|---|---|
| 10000ppm | 不快感 |
| 20000ppm | 呼吸増加 |
| 30000ppm | 脈拍上昇・血圧上昇 |
| 40000ppm | めまい・頭痛 |
| 50000ppm | 動悸・耳鳴り |
| 60000ppm | 呼吸困難 |
| 70000ppm | 数分で死亡 |
| 100000ppm | 死亡 |
全室冷房設備
一年中、24時間計画換気の考え方では、自然換気(漏気)を極力少なくするために、冷房についても換気装置と連動した、熱交換気冷暖房設備が理想といえます。しかしながら、湿度が低くてさわやかな外気候の時は、窓を開けておきたいという要望もまた根強いものがあります。「ハイブリッド・エコ・ハートQ」の開発思想の中に、自然との共存を掲げていますので、自然エネルギーを有効に活用出来る場合には、それを活用して、なるべく人工的なエネルギー消費を抑える工夫がされています。
そういった事から、省エネ性を考慮し標準的に、換気装置は排気セントラル方式(三種換気)を採用し、冷房は、個別クーラーを採用しております。
※施主のご希望があれば、ご希望に合わせた換気と空調のコンビネーションを計り快適室内空間をおつくりいたします。
「ハイブリッド・エコ・ハートQ」は、気密・断熱性能に優れていますから、外気温が上昇してきたら窓を閉めてクーラーを稼働すると、すぐに涼しくなります。窓を閉めたら換気装置の運転は絶対忘れないようにして下さい(換気装置のスイッチは切らないようにして下さい)。日射を遮蔽する工夫をすれば、省エネルギーで快適な夏を過ごしていただけます。
住環境と換気の重要性
必要換気量の計算方法
Q 必要換気量(m³/h)
C 室内汚染物質許容濃度(m³/m³)
Co 外気汚染物質濃度(m³/m³)
M 汚染物質発生量(m³/h)
住宅の必要換気量(常時機械換気の場合)
人体から発生する二酸化炭素の濃度が高くなるとそれに比例して臭いや有害なガスの濃度も高くなります。人間一人が快適な生活を過ごすための必要換気量は、一人当たり30m³/hといわれます*3)。これは広さにすると7帖の部屋の空気が1時間に一回入れ替わるのとほぼ同じ量です。また、住宅全体の換気を考えた場合、1時間に建物容積の半分(換気回数で0.5回/h)の量の換気が必要といわれます*3)。
概算規定として以下の表を参考にして下さい。
| 住宅全体の換気量 | 換気回数で0.5回/h、または、 30m³/h*3)・人のいずれか大きな値 |
|||
|---|---|---|---|---|
| 室別 | 換気量 | 室名 | 常時 | 使用時 |
| 給気量 | 居間、食堂、寝室、子供室などの居室 | 20~30m³/h・人 | - | |
| 地下室(納戸利用) | 20m³/h | - | ||
| 排気量 | 台所 | 60~80m³/h・人 | 300~500m³/h 1) | |
| 便所、洗面所、浴室、洗濯所 | 各々20m³/h | |||
(出典:建築基準法より)
1)ガス使用時の値で、レンジフードの捕集効率による。
2)この表は、喫煙時や汚染物質が通常より多い場合を除く。
*3)ヨーロッパの対応は、一人当たり50m³/h、換気回数0.7回が基準と成りつつある。
<一般的室内汚染物質の許容濃度 >
| 一酸化炭素の含有量 | 10ppm以下 |
|---|---|
| 二酸化炭素の含有量 | 1000ppm以下 |
| 二酸化窒素の含有量 | 0.04~0.08ppm(ピーク:0.5ppm) |
| ホルムアルデヒドの含有量 | 0.05~0.2ppm |
| 浮遊粉塵の量 | 0.15(mg/m)以下 |
| ラドンの含有量 | 100(Bq/m)以下 |
| 体臭基準 | 臭気強度2 |
用語解説
※ビル管理法建築物環境衛生管理基準- ppm:100万分の1
- ラジウム1g当たりの放射能3.7×1020Bp
- 臭気強度6段階 2は軽度
臭気の測定法について
空気汚染の一種である臭気は、化学的な測定が困難で臭気の測定は人間の鼻で行います。こういった測定方法では個人差が大きく、測定者の状態によって異なった結果が出てしまいます。 こういった事から臭気測定は、ヤグローによって提唱された指数が一般的に使用されています。
| 臭気強度の指数 | 示性語 | 説明 |
|---|---|---|
| 0 | 無臭 | 全く感じられない |
| 1/2 | 感じられる限界 | きわめて微弱で訓練されたものだけがわかる程度 |
| 1 | 明確 | 普通の人にわかるが不快ではない |
| 2 | 普通 | 室内での許容限度(愉快ではないが不快でもない) |
| 3 | 強い | 不快 |
| 4 | 激しい | 激しく不快 |
| 5 | 耐え難い | 吐き気を催す |
空気は何で出来ているのか?
人間が生きていく上で最も重要なものの一つは空気です。私たちの生命は、 この空気の中に含まれている酸素を吸入して、新陳代謝を促し保たれています。
この大切な空気の組成を知り、人体に酸素を運ぶ血液中のヘモグロビンという物質について考えてみます。
<空気の組成>
| 組成 | 窒素 | 酸素 | アルゴン | 炭酸ガス |
|---|---|---|---|---|
| 内容組成 | 0.7809 | 0.2095 | 0.0093 | 0.0003 |
| 重量組成 | 0.7553 | 0.2314 | 0.0128 | 0.0005 |
※この他、一酸化炭素、ネオン、メタン、ヘリウム、水素が微量含まれる。
(出典:理科年表)







